満月祭@獏原人村

080812-18 満月祭

 

 お盆の最中、今回は福島県の獏原人村にて行われた満月祭に出店してきました。

 知る人ぞ知るこの獏原人村は、1960~1970年代に起こったヒッピームーブメントにおける理想の共同体であるコミューン的な場所として開拓されました。会場までの道のりは険しく、山深い獣道のような未舗装の道をひたすら走っていく事、数十分。突然目の前に、広々とした場所が現れました。

 野外フェスの流行などにより、近年は参加者がグッと増えてしまったとの事ですが、約30年前から、細々と続けられてきたこの祭りは、この僻地を切り拓いてきた苦労があるからこそといえる人の温かさや喜びに満ちていて、落ち着きのある雰囲気の中で、ゆったりと進んでいきました。

 今回の新たな試みとしては、7月中に製作した3.6mドームを実際に使用するというものです。まだ天幕は製作中の為、蛍光のストレッチ生地を天幕代わりに張ってみました。これまでよりも小さいため、すべての商品をディスプレイする事が出来ず、ドームの奥に3m×3mのタープを連続させ、これが以外に面白い空間になりました。

 今回も約1週間という比較的長いキャンプインとなり、共同体としての視点からテント生活について考える機会を得ました。

 通常、テント生活などというと、ホームレスや被災者や難民の仮住まいのような印象があります。それは、社会的にはネガティブな相を孕んだ価値感の中で扱われ、望んでその世界に入りたいと思う人はあまりいないのではないでしょうか?

 一方、多くの人が望んで参加するキャンプインイベントなどで自然発生的に生じる一時的な共同体は、同じテント生活ですが、非常にポジティブな雰囲気に包まれているように感じます。この違いは一体どこから生まれてくるのでしょうか?

 それはその場に集う人々の意識にあるのだと思います。

 生活の基盤を失った状況とその基盤がある上で娯楽としてアウトドアを楽しんでいるといった状況には、心情的に大きな隔たりがあると思いますが、どんな状況に置かれても意識する主体は変わらないはずです。

 今ある基盤が絶対的であるという事はなく、むしろ簡単に壊れてしまうものだと認識し、どんな状況が訪れても、ポジティブな意識を持続できる精神性の大切さを強く感じたイベントでした。

 

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