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前回記事で試作した新型ジョイントをドーム1台分製作しました。
作業に取り掛かる前に、課題であった耐水性と強度の確保についてどうするべきか色々と検討を開始。まずは塗料でその要件を満たす事ができないかという事で調べてみました。
純粋に耐水性と強度だけを確保するとしたら、ボートやサーフボードなどで使われるエポキシ系の塗料が最適ですが、人体に有害な揮発性有機溶剤などはできるだけ使用しない方法でと思い、さらに調査を継続した結果、鶴見にある㈱飾一さんの超越技術に着目しました。
この超越技術は、天然素材の紙や木に、無機質のガラス質をコーティングし、紙や木の性質はそのままにガラスの持つ特性(耐熱性・耐水性・耐油性・耐摩耗性・表面硬度・抗菌性・その他様々な機能)を付与するというもので、今回使用した超越ウッドコートは、木材表面を塗膜を形成する一般の塗料と異なり、塗膜ではなく木材と科学的に反応させるコーティング剤です。ケイ素を主体にした無機化合物を原料にしているため、ホルムアルデヒド等の有害化学物質を含まず、安心・安全に使う事ができます。また摩擦などがない環境であれば3~5年の耐用年数があるという事で、コストパフォーマンスにも優れています。
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この塗料の効果を検証する為、耐水性テストを行ってみました。
右の画像にある2種類の木材は左が未塗装、右が2度塗りしたものです。クリックすると水滴を落とした直後、30分後、1時間後の様子を写した画像が見れます。その結果はハッキリと現れました。
表面硬度も上がり、ある程度の強度を付加することもできたので、この状態でも構造体を組む事は不可能ではないと思われます。しかし、開口部を作る際に竹構造材を抜く事によって、その周辺のジョイントに掛かる荷重が大きくなる事や、嵐のような強風時に吹く風の力など不測の事態を考えるとまだまだ不安が残ります。
そこで何か他の方法で強度を確保する事が不可欠と判断し、再びその素材選びをしていると、あるオークションサイトで厚み4mm・直径140mmの円形アルミ板を発見しました。
アルミは軽くて腐食に対しても強く、また加工もしやすい為、強度確保には最適です。早速コンタクトしてみると、在庫も大量にあるとのことで、早速購入し、加工を施してみると・・・
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この為に作られたかのようなピッタリサイズ
に驚いてしまいましたが、グッと完成度がましてきました。ちょうど、ボルト・ナットの間に入れる巨大なワッシャーのような役割をしています。
もちろん強度は抜群。以前のジョイントと比べても十分に強そうです。荷重が加わっても簡単には曲がらないので、これまで設営時に必要だった補強ピン作業も不要となり、作業時間の短縮化も予想されます。
あえてデメリットをあげるなら、ボリュームがあるので、収納ケースが1つ増えてしまうという事がありますが、強度と設営時間を短縮できるメリットを考えれば、機能上の進化は果たせたと感じています。
色々試しながらでしたが、ようやく新型ジョイント完成です。
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最後に、接地部のジョイント台座も丸いアルミ板を使って新たに作りました。また1月に油抜きしていた竹も長さ・幅をそろえ、ジョイント接合部の加工・ヤスリがけ・超越ウッドコート塗装を行い、1台分の構造体が製作完了しました。
昨年10月に製作した6mドーム用の天幕・防水シートと今回製作した構造体を組み合わせて、新たに6mドームが1台分増えることになりますが、この新型がきちんと設営できるかどうかを確かめなくてはなりません。
ということで、野外イベントシーズンの到来を目の前に、テスト設営会を計画しております。詳細は近日発表します!
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